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多巣性運動ニューロパチー



平成16年、主人は「多巣性運動ニューロパチー」と診断されました。
聞いたことのない病名で、お医者さんの説明を聞いてもきちんとは理解できず
ネットや本など情報を求めて多くの時間を費やしました。
私が理解したところでどうすることもできないのはわかっていました。
たぶん自分が安心するために情報を探していたのだと思います。
しかし、一所懸命探しても見つかるのは医師向けの情報ばかり。
患者と家族についての情報はほんの数件しか見つけられませんでした。
同じような症状でも「友の会」などがある病気も多く心細くなりました。
多巣性運動ニューロパチーと診断された方、ご家族のために経過を記しておきます。
お読みいただく際は、私が専門家でないことと下記はあくまでも主人の例であることを
ご理解いただいた上でお願いいたします。

H15年11月 手足のしびれ、足の裏に違和感(何かを踏んだときのような感じ)、手の脱力(お箸が持ちずらい・魚の身をうまくほぐせない・ペットボトルのフタが開けられない)などの症状が出始める。 が、疲れてるから?と放置。
H15年12月 風邪で診察を受けた内科の先生に症状を告げると神経内科の受診を勧められ紹介状をいただく。
H16年 1月 神経内科受診。
末しょう神経、脊髄、脳のどこが原因なのかわからないため検査入院が必要。
内科が疑われる場合はそちらの病院に(メモにこう書いてあるけど紹介するってことだったか不明)。
すぐにでも入院して検査したかったのですが、ベッドの空きがないことに加え、高額療養費が1ヶ月単位で区切られてしまうこともあり2月まで待つことに。
H16年 2月 10日間の検査入院
・MRI
・レントゲン
・血液・尿検査。血液は特殊な検査も、2~3回採ります。
・電気生理学的検査。神経が切れていないか磁気でぴくんと。
・髄液検査。脳骨髄液は脊髄の下。髄膜炎や神経炎がわかる。局部麻酔で。
 (脳のぶんの髄液も減るので圧が下がって頭痛がする人もいる)

病名確定
(お医者さん曰く)わかりやすく言うと、免疫が末梢神経を攻撃する病気です。放っておくと神経が細くなっていずれ切れてしまいます。切れてしまった神経は元に戻らないので、治療が効かなければ手足が動かせなくなることになります。治療法としては免疫グロブリン大量療法が大変有効です。もし効かなければ血漿交換などの治療法もあります。
薬が効けば症状はおさまりますが治ったということでありません。
この日の説明で、寝たきりになるかもしれないけれど生きていられること、遺伝性の病気でないことがわかって少し安心しました。

治療のためそのまま入院
免疫グロブリン大量療法。免疫グロブリンは血液の中に含まれているので注射薬は献血されたものから製造されています。これを1日4時間点滴で投薬、5日間行いました。
主人の場合、副作用として症状があったのは、頭痛が少しと発熱が少しと痒疹。痒疹は手に少ししか出なかったのですが「めちゃめちゃ痒い!」と言っていました。
投与してみないとわからないし副作用も人によって違うからなんとも・・・と言われていたので心配していたのですが、点滴の5日間もとても元気で安心。
いちばん辛かったのは、採るときも痛いし、採ったあとは腰は重ーーーくて頭はガンガンする髄液検査だそうです。
H16年 3月 経過観察とリハビリのため継続して入院
(通院でもOKだったのですが、会社のご厚意で入院していました)
グロブリンの効き目は良好。ペットボトルのフタも開けられるようになりました。

退院
H18年11月投薬の効果が切れるのは早ければ1ヶ月、今のところ2年半点滴しに来てない(症状が出ていない)人もいるよ。と言われてもうすぐ3年。まだ症状は出ていません。このまま記録更新します!気合いで!(笑)


H15年2月の請求明細
(保険適用分)
診察料 14,000
投薬料 5,050
注射料 1,478,750
検査料 100,410
X線料 54,510
その他 2,200
入院料 420,440
合計 2,075,360
患者負担額 622,610
左記の他に食事療養として47,540円(負担分は17,160円)がかかりました。
免疫グロブリン療法は平成11年より保険適用となっているため3割の負担で済みました。もし保険適用前にこの病気になっていたらどうしただろう・・・1回だけならなんとかなるかも?
もし1ヶ月で効果が切れたら毎月点滴??どうするのか想像もできません。
高額療養費の制度を利用しても毎月となったら・・・。

この時は、以前娘が入院したときに高額療養費の支給を受けたため慌てることなく利用できました。社会保険(政府管掌健康保険)の高額療養費支給の制度は1ヶ月単位で区切られます。月をまたいで治療をすると30日間の治療であっても2ヶ月分の自己負担額を支払うことになるのですが、そのことを知らない友人も多くいました。加入している保険にどのような給付や貸し付けがあるか確認されておくと良いと思います。
社会保険庁 政府管掌健康保険 高額療養費について
社会保険庁 政府管掌健康保険 高額医療費貸付制度について(pdf)

最後に・・・
神経内科のおもな病気は頭痛、脳卒中、痴呆、てんかん、パーキンソン病、神経難病などだそうです。よくある症状は頭の痛み、ものわすれ、しびれ、めまい、脱力などだそうです。(日本神経学会HPより)上記の症状が気になって検索されてこのページにいらした方は、すぐに神経学会のホームページをご確認ください。そして早めに受診して下さい。主人は「運が良い」と言われました。あちこちの病院を回っても病名が確定されず、神経内科にたどり着いたときには病気がとても進行してしまっていた人も多い、早いうちに治療できたのは運が良いと。すぐに神経内科を紹介してくださった近所の内科の先生には本当に感謝しています。


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